人間と動物のお口の中の違いとは?
投稿日:2024年11月6日
カテゴリ:スタッフブログ
みなさんこんにちは!
歯科衛生士の牛坂です♪
突然ですがみなさんは動物は好きですか?
私はミニチュアダックスフンドを飼っており、毎日癒やされています> ̫<
人間はむし歯や歯周病のリスクがあり両方に気をつけなければなりませんが犬や猫にもそのリスクはあるのでしょうか?
答えは「犬や猫はむし歯になりにくいですが歯周病になりやすい」と言われています。
本日は犬や猫と人間のお口の中の3つ違いについてとむし歯と歯周病の発生のメカニズムについてご説明します。
①唾液のpHの違い
虫歯や歯周病に関係するのが、お口の中のpH(ピーエイチ)です。
pHとは酸性かアルカリ性かを数値であらわしたものです。
人間の唾液はpH6.8前後の弱酸性です。
一方、犬はpH8~9、猫は7~8と、アルカリ性に少し傾いています。
むし歯菌は酸性の環境のほうが活動しやすく、歯周病菌はアルカリ性の環境のほうが活動しやすいので、人間の唾液が弱酸性であることは、むし歯菌にとって居心地の良い環境であると言えます。
一方犬や猫の口の中はアルカリ性の為、むし歯菌にとっては住みにくい環境です。住みにくい環境ということは犬や猫の口はむし歯菌が増えにくいということです。
②唾液中のアミラーゼという酵素の有無
アミラーゼは消化酵素の一種で、デンプンを分解して糖に変えます。そして人間の唾液にはアミラーゼが含まれています。
このため、米や芋類など、デンプン豊富な食材を食べるだけで、お口の中に糖分が増えてしまいます。
ところが人間と異なり、犬や猫の唾液にはアミラーゼがないのです!
そのため、むし歯菌のエサとなる糖分がが口の中に存在せず、むし歯になりにくいと考えられます。
③歯の形の違い
人間の奥歯は穀物などの食べ物を細かくしてすりつぶせるように臼状で平たい形です。
臼歯が多いため、食べかすを放っておくと噛み合う面のくぼみに虫歯菌が溜まってしまいます。
それに比べて犬の歯は肉を切り裂きやすい薄く突がった形をしてるためむし歯菌が溜まりにくいです。
歯周病菌は歯周ポケットに生息します。
人間も犬や猫も歯周ポケットは存在しているので、歯周病菌が棲みやすい環境と言えます。
つまり、人間の歯の形は虫歯菌も歯周病菌も棲みやすい形をしているということです。
ここまで人間と犬や猫の口の中の違いについてお話をしてきました。
次にむし歯や歯周病がどのように発生しているかお話しします。
むし歯菌は酸性の環境を好み、歯の表面に住みつき糖分をエサにして、酸を放出します。その酸によって歯はむし歯になります。
歯周病菌はアルカリ性の環境を好み、歯と歯茎の間に入り込んで生息しています。 歯周病菌のエサとなるのが鉄とタンパク質です。
歯茎の炎症があると歯ブラシやフロスをした時に出血します。その血液の中には鉄とタンパク質が豊富に含まれています。
そのため、歯ブラシをしっかり行わないと歯周病菌はどんどん増えてしまいますので歯磨きはしっかり行いましょう!
本日は犬や猫との違いを比較しながら、人間のお口の中の環境や、むし歯や歯周病の発生のメカニズムについてお話しました。
犬や猫はむし歯になりにくく歯周病になりやすい特徴があり、人間はどちらのリスクもあるため、両方に気をつけなければなりません。
ご自身でのお口のケアと定期的なメインテナンスにより、一緒にお口の健康を保っていきましょう!
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