神経を抜かない虫歯治療【MTAセメント】
皆様は歯科医院で歯の神経を取ったことはありますか?
近年、MTAセメントという材料が出てから神経をとる治療は激減しています。
MTAセメントとは「無機質生体材料」であり、「歯科用覆髄材料」として多くの「歯髄温存療法」治療で使われています。
虫歯の除去時に神経が露出してしまうと、従来は神経を取ることが多かったのですが、MTAを使用することで神経を残せることが大変多くなってきています。
神経を保存することで歯を削る量が激減し歯の寿命も長くなるので良いことばかりの治療です。
今回はMTAを使用して神経を残すように治療した治療をご案内します。
右上の一番奥歯の治療でMTAを使用して神経を残す治療をしたケースです。
治療内容をホームページに載せることは患者さまから許可を得ています。
治療は歯科用顕微鏡(マイクロスコープ)を使用し、高倍率で治療することにより、歯の削る量を最小限にしています。
見た目、レントゲンでも虫歯になっているのが確認できます。
古い材料を削り、虫歯を確実にとるために虫歯を染める液体(青)を使用して取り残しがないようにします。
神経に近い部分の虫歯はこの後にラバーダムをして取ります。
ラバーダム(ゴム製のマスクのようなもの)を使用し、唾液などが歯に付かないようにします。(唾液が入ると感染したり、材料が接着しにくくなるためです)
ここで更に重要なのが『隔壁』です。
根管治療においても重要なのですが、レジンという樹脂の材料で人口の壁を作ることで歯の外からの細菌感染やせっかく入れた薬が漏れない様にするためです。
この一手間が治療の成功率を上げます。
前の根管治療後の歯も虫歯になっていました。
再根管治療するので同日に隔壁も作りました。
治療後、痛みはなく神経が生きているかの検査(歯髄診断)でも問題なく、経過良好です。
3〜6ヶ月するとMTAと神経の間に第二象牙質とう言う壁ができます。
その後、仮の詰め物から最終的な歯に作り変えます。
これらの治療中の写真や動画(ホームページには写真のみです)は治療後に患者さまにお見せして治療した内容をご説明するようにしています。
年齢・性別 | 20歳 女性 |
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治療費 | 21,600円/税込(2019.8現在) |
治療期間 | 1日 |
治療回数 | 1回 |
リスク | MTA治療を行っても神経の状態によっては保存できないこともあります。治療前に十分な検査・診断が必要になります。 |
歯の中には神経以外に血管もあります。
神経・血管は取ってしまうと二度と元には戻せません。
治療でお悩みや船橋で歯医者・歯科医院をお探しの方はへ川手歯科医院までお気軽にご相談ください。
川手歯科医院
川手良祐