BPSと言う種類の綺麗な入れ歯(義歯)
院長の川手良祐です。
今回は新しい入れ歯の種類【BPSデンチャー】についてご説明します。
ホームページの掲載については患者様から許可を得ています。
この写真を見て綺麗になったと思いますよね。
実は治療後は上下が総入れ歯で治療しています。
新しい入れ歯の制作方法である「BPSシステム」を用いて製作しました。
【BPSシステム】・・・生体機能的補綴システムのことで従来の入れ歯より綺麗で外れにくい質の高い入れ歯を制作することができるシステムです。
この症例については2018年4月発刊の「歯科技工」という歯科医師・歯科技工士向けの本に10ページ掲載されました。
当院はただ治療するだけではなく他の歯科医師・歯科技工士に向けて発信もしています。
患者様は40代で早期に歯を失い上は総入れ歯、下は前歯のみ使用していました。
「ご友人やご家族と一緒に楽しくお食事がしたい」との主訴で来院されました。
下の前歯はグラグラしており通常の食事ができる状態ではありませんでした。
合わない入れ歯や奥歯がないと食事は丸呑みに近く健康面でも不安要素となります。
レントゲンでは骨の状態の検査を行います。
治療計画を患者様と相談の結果、下の前歯がかなりグラグラしており残念ながら抜歯となりました。
下の歯が無い状態では噛み合わせが大きくずれるので抜歯と同時に歯を抜いてトリートメントデンチャー(リハビリ用の仮の入れ歯)を即日装着します。
この方法を用いれば歯がない期間は避けられますし、噛み合わせのズレも補正可能です。
トリートメントデンチャー(リハビリ用の仮の入れ歯)を半年ほど使用していただきました。抜歯した歯茎は綺麗に治り噛み合わせのズレもなくなったと仰っていました。
入れ歯に限らず全体の治療を行う場合にはお顔の状態の検査も必要となります。
下の図の①と②は同じ高さが望ましい(Willis法)とされており基準としました。
同時に笑顔の状態で前歯が綺麗に並んでいるかも確認します。
次に行うのは最終的に使用して頂く入れ歯の制作です。
入れ歯の制作工程は大きく以下に分かれます。
①印象採得(歯形をとる)
②咬合採得(どこで咬んでいるのか高さの記録)
③ゴシックアーチ描記(前後左右どこで咬んでいるか水平的な記録)
④人工歯選択(人工の歯の大きさや色を決めます)
⑤人工歯肉選択(人工の歯茎の色を決めます)
⑥完成
①歯形を採ります。
シリコーン印象剤といい精度の良い材料を使用する事で精度の良い歯形が採れます。
この時には「閉口機能印象」という方法を用います。
この過程は入れ歯が外れにくくするために非常に重要です。
従来では②の咬合採得は①とは別日に行ってましたが、BPSシステムでは同日に咬合採得を行うことが可能で、精度が高く来院回数も減らせます。
③ゴシックアーチ描記は入れ歯が左右にズレるのを補正する測定方法です。
④⑤人工歯&歯肉の色は歯科技工士さんが立ち合いに来るので患者様の希望の色を伺います。
③〜⑤も①と同日にも可能です。
この患者様は若々しい口元をご希望されたので白めの歯と明るいピンク色の歯茎を選択しました。
様々な色調での再現が可能なのである程度はご希望に添えるかと思います。
当然ながら入れ歯を入れた時のお顔のバランスや笑った時の歯の出方などをより自然に見えるようにします。
様々な工程を経て入れ歯の完成です。
入れ歯は上下共に金属のフレームを用いました。
金属を用いる事で
・薄く作れるので違和感が少ない
・熱を感じるので食事が美味しく感じる
・強度が増すので壊れにくい
など様々なメリットがあります。
特に喜ばれるのは上の入れ歯の厚みが薄くなる事です。
従来の入れ歯では厚い上にプラスチックなので非常に違和感を感じる方が多いです。
金属であれば解消されることがほとんどなので多くの方が喜ばれます。
入れ歯には人工の歯茎が必須ですがより精密に歯茎を再現にすることで綺麗な口元になります。
当然ながら入れ歯にならないに越したことはありません。
しかし、様々な理由があり入れ歯を装着せざるを得ない時は、しっかりと咬みやすく、外れにくい入れ歯にされた方が健康面でも良いと考えます。
年齢・性別 | 40代 女性 |
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治療費 | 462,000円/税込(2020年9月現在) |
治療期間 | 8ヶ月(※トリートメントデンチャーでの補正:約6ヶ月) |
治療回数 | 14回(トリートメントデンチャー10回 BPSデンチャー4回) |
リスク |
長いこと咬み合わせがずれていると合いにくいこともあります。状態によっては治療適応外になることもあります。 |
もし入れ歯を装着する場合は左側と右側のどちらが良いでしょうか。
入れ歯で悩みがある方は川手歯科医院までお気軽にお問い合わせください。
全体的に検査を行い、上記の治療等が適応になるか判断致します。
川手歯科医院
院長 川手良祐