お薬と歯科治療の関係とは?
投稿日:2025年1月25日
カテゴリ:スタッフブログ
みなさんこんにちは!
歯科衛生士の牛坂です!
年末年始の休暇が終わってから体調などは崩されてないでしょうか?
最近は風邪が流行っていますのでご体調にお気をつけください😌
歯医者さんに行くと、持病や服薬について問診票に記入したり、「治療中のご病気や飲んでいるお薬はありませんか」などと聞かれますよね!
病気やお薬によっては、歯科が知らないまま治療を進めてしまうと、生命の危険が生じたり、治療後に痛みや腫れが続いたり、治りが悪くなったりと、患者さんが苦しい思いをしてしまいます。
そこで今回は、持病やお薬が歯科治療とどう関係するのかをお話しします。
とくに病気やお薬の情報が大切になるのは、抜歯やインプラントなどの外科的な治療を受けられるときです。いろいろな病気やお薬が影響するのですが、ここでは治療を受けられている患者さんが多い、次の2つの病気とお薬にしぼってお伝えします。
①高血圧症とそのお薬
②糖尿病とそのお薬
①高血圧症
高血圧症ってどんな病気?
高血圧症とは、血管にかかる圧力が高い状態です。心臓から全身へと血液が送り出されています。このとき血管の壁にかかる圧力を「血圧」といいます。血圧が高いと、ホース内を勢いよく水が流れるように、血管にかかる血液の圧力が大きくなります。
このままにしておくと脳や心臓への負担となります。高血圧症は脳卒中や心筋梗塞、心不全の最大のリスクです。
お薬は何のため?
目的は血管にかかる圧力を下げるためです。
たとえばカルシウム指抗薬は、血管の収縮を抑えて血液の通り道を広くすることで、血管にかかる圧力を下げる働きがあります。
歯科治療との関係
歯医者さんでチェアに横たわったときや、麻酔の注射をしてもらうとき、抜歯の治療を受けるときは緊張しますよね。
このとき体はストレスを感じて、血圧が上がっています。これはふだん血圧が高くない方にも起こる現象で、「白衣性高血圧」と呼ばれます。
高血圧症のかたは、治療時の緊張でさらに血圧が上がります。血圧が上がると心臓がドキドキしますが、それよりも怖いのは脳の血管への影響です。
②糖尿病
糖尿病ってどんな病気?
糖尿病は「血のなかに糖が増えすぎる」病気です。血液中の糖は、ふつうはすい臓から分泌されるインスリンというホルモンが分解してくれるのですが、これがうまくいかなくなってしま
います。
生まれつきインスリンの分泌量が少ない場合は1型糖尿病。インスリンは正常に分泌されているものの、その作用が十分に発揮されにくくなっている場合は2型糖尿病といいます。
お薬は何のため?
血糖を降下させる作用があります。
糖尿病のお薬には、インスリン注射と飲み薬があります。インスリンが先天的につくられない1型糖尿病のかたは、からだの外から常にインスリンを補給する必要があります。そのためにインスリンを注射します。
インスリンは出るものの、それがうまく働かなくなっている2型糖尿病のかたの場合、おおもとの原因は生活習慣にあります。ですからまずは食事制限や運動が治療の第一選択肢となります。それでも改善されないときは、血糖降下薬を服用したりインスリンを注射します。
歯科治療との関係
外科治療後に感染や炎症を起こしやすくなります。血流が悪くなり、栄養や免疫細胞が届きにくくなるために、感染への抵抗力が弱まり傷の治りが悪くなります。そのせいで細菌感染を起こしやすく、炎症もひどくなることが多いです。
ここでお話したように、持病とお薬は意外なところで歯科治療に関係しています。めったにないとはいえ命にかかわるケースもありますので、歯科受診の際には必ず持病やお薬についてお伝えいただければと思います。
ただ、どんなお薬を飲んでいるか、いつごろから飲んでいるかなどは、うっかり忘れてしまうこともありますので、お薬手帳を活用ていただけたらと思います!
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