歯周病の治療が糖尿病の改善に役立つ!?
こんにちは!
歯科衛生士の笠原です!
最近はどこへ行くにも手持ち扇風機が手放せないです🌞ついにお家にも扇風機を引っ張り出してきて涼しい日々です♪
今回は糖尿病と歯周病の関係をお伝えします!歯周病の治療が糖尿病の改善に役立つことをご存知ですか?
なぜ、歯肉の炎症である歯周病が糖尿病に関わってくるのでしょうか。人間の膵臓からは、インスリンという、血糖を下げるためのホルモンが分泌されています。このインスリンが十分に働かなくなり、血液中を流れるぶどう糖を体内に取り込めなくなると高血糖になります。
インスリンが働かなくなるケースは①インスリンの分泌自体が減っている②インスリンの効きが悪くなっている(インスリン抵抗性)の2つがあります。日本人の糖尿病患者の95%は②の2型糖尿病といわれています。出血や膿を出しているような歯周ポケットからは、炎症に関連した化学物質が血管を経由して体中に放出されています。
中等度以上の歯周ポケットが口の中全体にある場合、そのポケット表面積の合計は掌(てのひら)と同じ程度と考えられています。歯周ポケットの中身は外からはなかなか見えませんが、手のひらサイズの出血や膿が治療なしで放置されていると考えると、からだ全体からも無視できない問題であることが理解できると思います。
ポケットから出て血流にのった炎症関連の化学物質は、体のなかで血糖値を下げるインスリンを効きにくくします(インスリン抵抗性)。そのため、糖尿病が発症・進行しやすくなります。
歯周病治療で血糖値が下がる!?
最近では歯周病と糖尿病は密接に関連していると言われており、歯周病の治療をすると血糖コントロールが改善するという研究成果も数多く報告されています。
ここでの「歯周病の治療」とは、患者さん自身のブラッシングによるプラークコントロールをしっかり行い、歯科医院で炎症の原因となっている歯石を確実に取り除く(スケーリング)ことです。そうすることで歯肉の炎症をコントロールできればインスリン抵抗性が改善し、血糖コントロールも改善するということが、日本での研究を含めた多くの臨床研究で報告されています。
また、糖尿病が怖い理由は、悪化した際に起こる合併症です。高血糖の状態が何年も続くと、血管が弾力を失い硬くなり、傷んでいきます。その影響は血管の99%を占める毛細血管に特に顕著です。血液の流れが悪くなり、酸素や栄養の供給も滞りますまた、腎臓などの内臓や網膜には毛細血管がはりめぐらされており、神経に栄養を運ぶのも血管です。
そのため、糖尿病により血管が傷み続けると、やがては臓器不全や失明、神経障害などの合併症に至ることがあります。
健康な口が全身の健康にもつながります!みなさん定期検診でお待ちしています!
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